83歳女性患者さん「私、ビーフステーキが食べたいの!」
83歳の患者さん。
当診療所にてインプラント治療のご経験のある患者さんからのご紹介でした。
奥歯が破折している患者さんのご希望は、早く食べられるようになりたい。
「入れ歯は嫌!いつまで生きられるのか?判らないのだから!、なるべく早く治療を終わりたい!」というご依頼です。
ちょっと、怒られました笑
ここで一番の問題となるのは、お身体の調子と治療期間ではないでしょうか?
義歯(入れ歯)は嫌という事は、その時点でその欠損部位の条件からインプラント治療となるのは患者さんも納得なのです。
そしてもう一つ問題となってくるのは、何故?歯が破折したのか?なのです。
谷口歯科診療所としまして、患者さんの年齢が83歳という事を考慮しますと、「恐らくですよ、抜歯やインプラント治療の様な歯科治療は、これが最後に近いのでは?」という考えがあります。
勿論、人生130年の時代になれば違いますが、人生100年の現代ではここから治療における『やり直し(再治療)』はどの年齢でも可能かもしれませんが、どの年齢層もなるべく避けたいところですよね?!
このブログをお読みの方は、どう考えますでしょうか?
患者さんの年齢によっては、「長期安定が望めない無い不安定な治療」でも提供するべきなのか?
それとも医療従事者として、しっかりと診査診断の結果としての治療方針で望むべきなのか?
そして、今回のご依頼は「破折した歯2本を抜歯後になるべく早くにインプラントに置き換え、ステーキを食べられるようにして欲しい!
いつまで生きられるのか?分からないんだから!」というご要望をどの様に解決できるのか?という点です。
従来の治療法から時短可能な術式を選択する事を可能にできるのか?無理なのか?
これって、ミッション・インポシブルではありませんか?
どの様なジャンルのお仕事においてでも勿論「失敗」は許されてはおりません。
この患者さんご希望の場合は、もしかしたら通常の歯科診療所では治療対象者として適応とされない?かもしれません。
谷口歯科診療所は、2019年4月よりインプラント治療の術式を一新しました。
それは、総合歯科治療を行なっている上で咬み合わせ治療の構築上で歯の無い所には、「入れ歯治療」よりも「インプラント治療」の方が多く求められる場合に一番の問題点が治療期間(時間)です。
通常、歯が無い所にインプラント治療を考える場合、抜歯してから4ヶ月後に治療計画を立案するのが通常です。
ホント、ザックリで考えると抜歯後4ヶ月に足して、インプラント1次埋入手術後、上顎6ヶ月、下顎3ヶ月にインプラント2次手術を行うのがスタンダードです。冠が入るまでに遅くて上顎で1年前後、下顎で9ヶ月前後の治療期間が想定されます。
インプラント治療を時短できる技術は無いのだろうか?
このテーマは、大変にデリケートな問題で賛否両論があります。
例えば、同じ結果であれば早いに越した事はありません。
そして、痛みや腫れが極力少ない方法でありますが、リスクは多少なりとあったとして、いかがでしょうか?
そこで、抜歯即時インプラント埋入、即時荷重インプラント治療の日本中の著名なスペシャリストと呼ばれている「全ての先生」に教わり、実践して学び、そして自分の疑問に対する対処法を教わる事で現在の水準にまで来る事が出来ました。
私の今までのインプラント歴(技術習得)に更に丸3年の月日が要されました。
勿論、完璧に極めた訳ではありません。
そもそも極めるって、自分で感じるものでは無いと思いますが笑
結果は、どうだったのでしょうか?
この患者さんは、4Sコンセプトに基づいた抜歯即時インプラント埋入技術により抜歯後2ヶ月弱でステーキを食べました。
今は、御漬物に夢中という事です笑
どんな技術革新においても慎重に検討する事は、大変に重要です。
私が導入しました4Sコンセプトに基づいた抜歯即時インプラント埋入技術は、10年後、20年後に評価されるのかも?しれません。
では、この期間はどう埋めるのでしょうか?
科学的な根拠があるこの治療技術は難易度が高く、導入に至らない理由として、「万が一」があります。
そこは、我流では無く、ちゃんと訓練をしっかりと行なった上での治療結果を講演会などで発表するなどの実績があるのか?全く無いのか?にも反映されると考えております。
私は、治療実績を出し、スペシャリストに評価を頂いた上で谷口歯科診療所に「咬めるが普通になる」をご希望された患者さんにご提供しております。
JSOI日本口腔インプラント学会専門医
IPOI近未来オステオインプラント学会専門医、認定医
ICOI国際インプラント学会フェロー
日本顎咬合学会(咬み合わせ)指導医、認定医、北海道支部 支部長、
北海道歯科医師会 学術委員
北海道大学歯学院 大学院生4年生
科学的根拠と各種専門医ライセンスを取得し、維持している立場からインプラント治療計画を立案させて頂いております。
谷口歯科診療所 院長 谷口昭博