こんにちは。札幌駅前の赤れんがテラス6階にある谷口歯科診療所、4代目院長の谷口 昭博です。
お陰様で谷口歯科診療所は2026年8月11日に開設110周年を迎える事が出来ました。
日頃より大変お世話になっております関係各位の皆様に支えられ、ここまで来る事が出来ました。
この場をお借りしまして、深く感謝申し上げます。
今後とも谷口歯科診療所を宜しくお願い致します。
谷口歯科診療所
院長 谷口昭博

「マスクをするようになってから、自分の口のニオイが急に気になり始めた…」
「長時間のマスク着用で、なんだか口の中が乾いてネバネバする気がする…」
このように感じた経験はありませんか?
ここ最近では、新型コロナウイルスの感染予防としてマスク着用が日常化しましたが、実は「マスク生活(マスク慣れ)」が原因で無意識のうちに口呼吸になり、口臭や虫歯・歯周病リスクを高めているケースが急増しています。
本記事では、札幌駅前・赤れんがテラスにある「谷口歯科診療所」の谷口昭博 自身による解説、歯科医師の専門的な視点から「なぜマスク着用で口臭や口の乾燥が起こるのか」「今日からできる簡単な口呼吸対策」について分かりやすく徹底解説します。
見出し
マスク生活が引き起こす「無意識の口呼吸」と危険な罠

マスクを着用する生活(習慣)が以前よりも私たちの生活に定着したことで、私たちの「息の仕方(呼吸法)」に大きな変化が生じています。
なぜマスクをすると口呼吸になってしまうのか?
マスクはウイルスや微粒子を防ぐための「フィルター」です。本来、人間は「鼻呼吸」が基本ですが、マスクというフィルターを1枚通すことで呼吸に抵抗がかかり、無意識のうちに息苦しさを感じやすくなります。
特に、日常的にマスクをして会話をする仕事(接客業、飲食店、医療・調理スタッフなど)に従事されている方や、長時間のデスクワークを行う方は、無意識に足りない酸素を補おうとして口を半開きにし、「口呼吸(こうこきゅう)」へ移行してしまうのです。
家に帰ってマスクを外しても「口呼吸」が抜けない?
恐ろしいのは、職場や外出先で数時間〜十数時間マスクをつけ続けることで、脳や身体が「口呼吸のクセ」を覚えてしまうことです。
その結果、家に帰ってマスクを外しているリラックスタイムでさえも、口が開いたまま口呼吸をし続けてしまうという「マスク慣れ・口呼吸慣れ」の症状が定着してしまいます。
口呼吸がもたらす最大のデメリット「ドライマウス」と免疫力低下
鼻呼吸から口呼吸へと変わってしまうことで、お口の中ではどのようなトラブルが発生するのでしょうか。
唾液(だえき)による天然のバリアが失われる
健康なお口の中は、常に豊かな「唾液」によって湿らされており、この唾液が強力な生体防御システム(免疫力)として機能しています。
- 自浄作用: お口の中の汚れや細菌を洗い流す
- 抗菌作用: 細菌やウイルスの増殖を抑える(IgA抗体、リゾチームなど)
- 粘膜保護: 口腔粘膜を乾燥や外部刺激から守る
しかし、口呼吸によって常にお口の中に風が通り抜けると、唾液が一瞬で蒸発し、お口の中がカラカラに乾く「ドライマウス(口腔乾燥症)」の状態になります。唾液による保護が得られなくなったお口は、いわば「無防備な無人島」と同じ状態であり、一気に免疫力が低下してしまうのです。
虫歯・歯周病が爆発的に進行するリスク
お口の中が乾燥して唾液の恩恵を受けられなくなると、以下のような悪循環が生まれます。
- 細菌の爆発的な増殖: 抗菌成分が行き渡らないため、虫歯菌や歯周病菌が活発化する。
- 酸の中和能力(緩衝能)の低下: 食事の後に口の中が酸性から戻りにくくなり、歯が溶けやすくなる。
- 歯ぐきの炎症: 乾燥によって歯肉の抵抗力が落ち、歯周病が進行しやすくなる。
「しっかり歯を磨いているのに虫歯や歯肉炎になりやすい」という方は、日中の口呼吸によるドライマウスが隠れた原因になっている可能性が極めて高いと言えます。
なぜマスクの中で「口臭」が強くなるのか?その医学的メカニズム

「マスクをするようになって初めて自分の口臭に気づいた」という患者様は非常に多くいらっしゃいます。これには明確な理屈が存在します。
唾液が乾くことでニオイ成分が気化・充満する
水や流動性のある液体は、そのままでは強いニオイを発しにくい性質があります。例えば、川や流れている水は臭いませんが、水たまりが干上がったり、濡れた洗濯物が半乾きのまま放置されたりすると嫌なニオイを放つのと同じ原理です。
お口の中でも全く同じ現象が起きています。
通常、潤っている状態では唾液の中に閉じ込められているニオイ成分(メチルメルカプタンや水素硫化などの揮発性硫黄化合物)が、口呼吸によって唾液が乾燥(ドライ化)することで一気に気体(ガス)となり、お口の中に充満するのです。
誰よりも近い位置で自分の息を嗅ぐ構造
普段、自分の息のニオイにはなかなか気づきにくいものですが、マスクを着用することで「吐いた息」がマスクの空間内に閉じ込められます。
結果として、自分自身が最も近い距離で「乾燥した唾液のニオイ(口臭)」を直接嗅ぐことになり、「私の口、こんなに臭っていたの!?」と衝撃を受けることになります。
歯科医師が教える!お口の乾燥と口臭を防ぐ具体的な「簡単対策」
では、マスク生活を続けながら、口呼吸による乾燥や口臭を防ぐにはどうすればよいのでしょうか。当院の「口臭外来」でもお伝えしている、日常生活で今すぐできる対策をご紹介します。
ガムや飴(あめ)を活用して唾液分泌を促す

仕事中や移動中など、どうしてもマスクを外せない環境でおすすめなのが「ガムや飴(キャンディ)を活用すること」です。
- ガムを噛む: 噛む運動(咀嚼刺激)によって唾液腺が直接刺激され、唾液が分泌されます。
- 飴をなめる: 味覚の刺激と「口の中で転がす」動作により、自然と唾液の分泌が促されます。
※虫歯予防の観点から、ガムや飴を選ぶ際は必ず「キシリトール100%」や「ノンシュガー・無糖」のものを選ぶようにしましょう。
ガムや飴がお口の中にあると、物理的に口を閉じやすくなり、自然と「鼻呼吸」へ誘導されるというメリットもあります。
意識的に「鼻呼吸」を取り戻すトレーニング
作業に集中しているときやスマートフォンを見ているときなど、ふと「今、自分の口が開いていないか?」とチェックする習慣をつけましょう。
正しいお口のポジション(レストポジション)
- 唇: 軽くとじている
- 歯: 上下の歯が接触せず、わずかに離れている(2〜3mm)
- 舌: 舌の先が上あごの前歯の少し後ろ(スポット)に軽く触れている
この状態をキープすることで、口呼吸を防ぎ、唾液を口の中に溜めて潤いを保つことができます。
口腔生理機能が高まると「味覚」や「鼻の通り」まで良くなる!
お口の中を乾燥させず、唾液の力(口腔生理機能)を正しく保つことは、単に口臭や虫歯を防ぐだけではありません。全身の感覚機能にも素晴らしい波及効果をもたらします。
味覚が敏感になり食事が美味しくなる
舌の表面にある「味蕾(みらい)」というセンサーは、食べ物の味成分が唾液に溶け込むことで初めて正しく味を感知します。
ドライマウス状態では味覚を感じにくくなりますが、唾液がしっかり分泌されるようになると味覚が大幅に向上し、繊細な出汁の旨味や素材の味を感じられるようになります。
鼻の通りがスムーズになり、お肌や免疫にも好影響
鼻呼吸を正しく意識してお口の環境を整えていくと、使われていなかった鼻腔(びくう)の通気性が改善し、鼻通りが良くなるケースが多く見られます。
また、鼻呼吸によってフィルターを通した湿った空気が体内に取り込まれるため、風邪やウイルス感染への抵抗力が高まり、全身の健康管理やお肌のコンディション維持にもつながります。
まとめ:マスク生活でも「うるおい」を保ち、健康なお口を守ろう
今回のポイントを改めてまとめます。
- 長時間のマスク着用は無意識の「口呼吸」を引き起こしやすい。
- 口呼吸になるとお口が乾燥し(ドライマウス)、唾液の抗菌・免疫力がダウンする。
- 唾液が乾くことでニオイ成分が気化し、マスクの中で「口臭」として自覚される。
- キシリトールガムや飴を活用し、意識的に「鼻呼吸」を行うことが効果的な対策。
- 唾液の潤いを保つことで、味覚の向上や感染症予防など全身に良い影響がある。
「マスクをしているから見えないし、まあいいか」と放置してしまうと、知らず知らずのうちに虫歯や歯周病、口臭が進行してしまいます。
毎日の生活の中で少しだけ「鼻呼吸」や「お口の潤い」を意識し、自分の唾液の力をフルに活かしていきましょう。
「自分の口臭レベルが気になる」「ドライマウスの症状が辛い」とお悩みの方は、ぜひ一度、札幌駅前・赤れんがテラスにある谷口歯科診療所の「口臭外来・定期検診」までお気軽にご相談ください。
【診療のご予約・ご相談はこちら】
- 医院名: 谷口歯科診療所
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